もし理系東大生が経済を勉強したら

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みなさんは銀行に預金がたくさん眠っていたりしませんか?
「投資をすればそんなお金を役立てることができる!」
「でも何から始めたらいいんだろう・・・」
と思って、とりあえず経済の勉強を始めました!
現代ファイナンス理論を一緒に学んで賢く投資しましょう♪

破産確率を正しく使う


上の図は、破産確率が0.1%になるような勝率pとペイオフ比率Rの間の関係を示したものです。 右上へ行くほど勝率とペイオフ比率が増加するので、これらの曲線よりも右上にあればほとんど破産しないと思っても良いことになります。

図のEはリスクにさらす資産の割合(= (負けトレードの平均損失)/(初期資産); Exposure)のことです。 例えば、初期資産が100万円でE = 1%ということは、一回のトレードで平均して1万円失うという意味です。 損切りのラインを1万円だけ下にしておくとも言えます。

当然のことながら、リスクを多くとる(つまりEを大きくする)につれて勝率やペイオフ比率が高くなければならないことがわかります。 10%と20%ではそれが特に顕著に現れています。 このことから、損切りがいかに大事かということがわかります。

そして、損切りの目安はこの図によって決められます。 例えば、勝率が60%でペイオフ比率が1.5の場合、ほとんどE=10%の曲線上にのっているので、Eを10%以下にしておくと安全でしょう。 つまり損切りラインは初期資産の10%にすべき、ということです。

まとめ

  • 投資の結果がこの図より下の場合、破産する確率が高く危険である。
  • 勝率とペイオフ比率が決まっている場合は、この図から損切りラインを決めることができる。
  • 破産確率を正しく知る

    破産確率の誤謬

    破産確率とは、このままトレードをしていると破産するかどうかということに確率的な答えを教えてくれるものです。 金融の世界では有名で重視されているはずだと思われますが、実際には間違った解釈で使われていることが多いです。

    よく日本の個人トレーダーが引用しているものに、”バルサラ”の作ったという「バルサラの破産確率」なるものがあります。 しかし、彼らは出典を明記せずに引用しており、信憑性がまったくないものばかりです。 他人の書いたものを出典を明記しないで引用するのは、色々な人が困るので是非やめてほしいですね。 ちなみに、私は頑張って探して元ネタを見つけました!ずいぶん古いようです。実は私の生まれた年に出版された本のようです。

    Balsara, Nauzer: Money Management Strategies for Futures Traders, John Wiley & Sons, New York, 1992

    上の著作はリスクマネジメントについて詳しく書いてあります。 その中の”THE DYNAMICS OF RUIN”の部分を読んでみると、どのようにバルサラが破産確率を計算したのかがあります。 まずバルサラは破産確率が何によるか、ということに言及しています。

    1. 勝率
    2. ペイオフ比率(= (勝ちトレードの平均利益)/(負けトレードの平均損失); payoff Ratio)
    3. リスクにさらす資産の割合(= (負けトレードの平均損失)/(初期資産); Exposure)

    多くの人は三番目の変数を見落としてしまって、勝率とペイオフ比率の関数だと勘違いしているようです。

    そして、以下のようにこの破産確率は純数学的なものなのです。

    「賭けをすると確率pでR円貰えるが、確率(1-p)で1円失う。最初に(1/E)円持っているとするとき、無限回この賭けを繰り返して破産してしまう確率はどれほどだろうか」

    ここで、pは勝率、Rはペイオフ比率、Eはリスクにさらす資産の割合のことです。負けたときには常に1円を失うことにしているため、初期資産はちょうどEの逆数となります。 表面的な言葉を見るだけではわかりにくいのですが、一回毎の賭けが独立であることも仮定しています。 また、常に1回の賭けではRまたは1という定数だけしか資産が変動しませんので、たとえ資産が2倍になっても賭ける金額は最初と同じです(本当はそれぞれの賭けで自分の資産の一定の割合を賭けるときの破産確率も計算できるのですが、わかりやすくするためにこうしています)。

    まとめ

    • 破産確率を実際に使うときには「リスクにさらす資産の割合」も考慮する必要がある。
    • 1回1回の投資は独立であると考えている。
    • 破産確率を扱いやすいものにするため、いつも投資で一定の損失と一定の利益しかでないことにしている。

    現代ポートフォリオ理論の応用

    現代ポートフォリオ理論を実践的に利用する方法について考えてみました。

    日経225銘柄に対して一年間の日次収益率を計算し、収益率の平均を大きく分散を小さくするようなポートフォリオを計算しました。

    実際にはオリンパスなどのいくつかの銘柄は除外しました。”平均を大きく分散を小さく”とは、市場ポートフォリオのことです。リスクフリーレートを0として、原点を通り効率的フロンティアに接するような接線を引いたときの、接点が市場ポートフォリオです(下図)。


    横軸は収益率の標準偏差、縦軸は平均です。図にある数字は、計算によって組み入れられた株の銘柄です。

    これをみると、市場ポートフォリオの収益率は0.2%近いのですが、1年で換算すると70%にもなります。非現実的な数字ですが、実際には分散があるので良い値にはなりません。


    ポートフォリオを最適化した期間でのパフォーマンスと、組み入れられた株のパフォーマンスです。当然のことながら、最適化しているのであまりばらつかず良い塩梅で増加していることがわかります。

    しかし、これでは本当にこの先もこの通りになるのかは不明です。そこで、2年前から1年前までの期間で最適化したポートフォリオの、最近1年間のパフォーマンスを表示してみました。


    これを見ると、先ほどのように分散は小さくないようですが、それでも大きなリターンをあげています。

    ただし、震災のときはマイナスになってしまっていますから、確実にリターンが得られるわけではありません。震災の少し前にこのポートフォリオを運用したとすれば、マイナス-20%になったあと、徐々に回復して10%程度のリターンになるでしょう(それでも十分なリターンですが)。

    モダンポートフォリオ理論とは、株価の収益率の平均を大きく、分散を小さくするポートフォリオを計算する枠組みです。

    よく言われるのは、「株価は正規分布に従ってないのでこれは使えない」という批判ですが、正規分布に従っていないとしても、市場ポートフォリオの収益率は平均は大きく、分散は小さくなっています。正規分布の場合は平均と分散で形が完全に決まってしまうので、必ず市場ポートフォリオが他のポートフォリオに比べて優位であることが言えますが、正規分布でなくとも平均が大きく分散が小さい分布が投資先として良いはずです。そう考えれば、ファットテイルがあるからといっても、モダンポートフォリオ理論がまったく実務的に使えないということはありません。

    最後に、今回の計算で得られた市場ポートフォリオをのせます。

    2914JT32%
    9412スカパーホールディングス22%
    3110日東紡20%
    5233太平洋セメント14%
    9766コナミ12%

    これからこれらの株がどうなるか楽しみです。

    ポートフォリオ運用成績②

    株ポートフォリオの第二週目の運用成績です。先週は好調だったのですが、それから2.5%も下落してしまいました。

    結局、2週間で約4%の運用成績でした。リスクは結構大きいように感じてしまいますね。10月末には今回のポートフォリオの総括をしたいと思います。今はまだ考えがまとまっていませんので・・・。

    企業評価-財務諸表について

    株式投資するにあたって、企業の価値を評価(Valuation)することは非常に大切です。

    そもそも、株を購入するということは企業の一部を保有する、ということに他なりません。株を購入することによって、その企業に出資することになり、最終的に配当を受け取るからです。

    では、どのような企業に投資すれば良いのでしょうか。

    もしかすると、働く環境がいいとか、社員がやる気に満ちあふれているとか、給料が高いといったことが考えつくでしょうか。一般のサラリーマンからすると、このような条件は企業で働く身としては重大な問題です。特に日本では終身雇用のような考え方が残っていますからなおさらです。

    しかしながら、投資とはそういうことではありません。別に投資先に出資したからといって、当然企業で働くことになるわけではありません。被雇用者と投資家、経営者はまったく異なります。

    私たちは、とりあえず投資家なのですから、その企業がこれから安定して成長して多く生産し多くの収益をもたらしてくれるか、ということが一大関心事となります。雇用状況の善し悪しは、企業の収益性にも関係するので「関係ない」とは言い切れませんが、あくまでも二次的な重要さでしょう。

    さて、結局のところ安定性収益性成長性生産性が高い企業に投資すべきなのです。

    そこで企業の財務諸表(決算書)の出番です。財務諸表というのは、

    1. 損益計算書(PL; Profit and Loss Statement)
    2. 貸借対照表(BS; Balance Sheet)
    3. キャッシュフロー計算書(CF; Cash Flow Statement)

    の3つです。これらは、言ってみれば企業の成績表であって、企業の周りでどのようなお金の動きをしているのかがわかります。

    企業が安定して収益をだせるか、これから成長していけるか、このようなことを財務諸表から読み取ることによって、投資すべきかを判断することができるのです。特に、長期投資/資産運用では重要でしょう。