現代ポートフォリオ理論を実践的に利用する方法について考えてみました。
日経225銘柄に対して一年間の日次収益率を計算し、収益率の平均を大きく分散を小さくするようなポートフォリオを計算しました。
実際にはオリンパスなどのいくつかの銘柄は除外しました。”平均を大きく分散を小さく”とは、市場ポートフォリオのことです。リスクフリーレートを0として、原点を通り効率的フロンティアに接するような接線を引いたときの、接点が市場ポートフォリオです(下図)。

横軸は収益率の標準偏差、縦軸は平均です。図にある数字は、計算によって組み入れられた株の銘柄です。
これをみると、市場ポートフォリオの収益率は0.2%近いのですが、1年で換算すると70%にもなります。非現実的な数字ですが、実際には分散があるので良い値にはなりません。

ポートフォリオを最適化した期間でのパフォーマンスと、組み入れられた株のパフォーマンスです。当然のことながら、最適化しているのであまりばらつかず良い塩梅で増加していることがわかります。
しかし、これでは本当にこの先もこの通りになるのかは不明です。そこで、2年前から1年前までの期間で最適化したポートフォリオの、最近1年間のパフォーマンスを表示してみました。

これを見ると、先ほどのように分散は小さくないようですが、それでも大きなリターンをあげています。
ただし、震災のときはマイナスになってしまっていますから、確実にリターンが得られるわけではありません。震災の少し前にこのポートフォリオを運用したとすれば、マイナス-20%になったあと、徐々に回復して10%程度のリターンになるでしょう(それでも十分なリターンですが)。
モダンポートフォリオ理論とは、株価の収益率の平均を大きく、分散を小さくするポートフォリオを計算する枠組みです。
よく言われるのは、「株価は正規分布に従ってないのでこれは使えない」という批判ですが、正規分布に従っていないとしても、市場ポートフォリオの収益率は平均は大きく、分散は小さくなっています。正規分布の場合は平均と分散で形が完全に決まってしまうので、必ず市場ポートフォリオが他のポートフォリオに比べて優位であることが言えますが、正規分布でなくとも平均が大きく分散が小さい分布が投資先として良いはずです。そう考えれば、ファットテイルがあるからといっても、モダンポートフォリオ理論がまったく実務的に使えないということはありません。
最後に、今回の計算で得られた市場ポートフォリオをのせます。
| 2914 | JT | 32% |
| 9412 | スカパーホールディングス | 22% |
| 3110 | 日東紡 | 20% |
| 5233 | 太平洋セメント | 14% |
| 9766 | コナミ | 12% |
これからこれらの株がどうなるか楽しみです。